#4.フラフープ

私が小学生の頃、フラフープは女子たちの中で大人気のアイテムのひとつであった。

 

学校の自由時間には、貸し出し用のフラフープは取り合いになっていたし、私もその争奪戦に欠かさず参加していた。

 

当時私は新体操とか、とにかく女の子らしい競技に憧れていたからなのかもしれない。

はまった。ぐるぐるぐるぐる回して、ただそれだけなのにめちゃめちゃ楽しかった。

 

 

ある日、当時とても仲良くしていた子の家に遊びに行くと、彼女の部屋にはあのフラフープがあった。うらやましかった。あの楽しいフラフープをいつでも堪能できるなんて何と幸せだろうか。

 

家に帰りすぐさま母にねだった。

 

私の願いは誕生日に叶った。(今考えれば、1000円くらいで済むのだから親としてもゲームより有難いわな…)

 

ピンク色の透明なプラスチックのフラフープ。中には、星の形をした銀のテープのようなものが入っており、すごくすごく可愛かった。それは学校のよりも友達のよりもいいもののように思えた。

 

それから家でも暇さえあればぐるぐるぐるぐるまわす日々。音楽を聴きながら、テレビを見ながら、家族と話しながら…とにかくぐるぐるぐるぐる回し続ける毎日。

 

女子たちのフラフープブームはそこそこ長く続き、ついには何回、回すことができるかという勝負をするまでに至った。

 

フラフープ始めたての頃は、せいぜい10回回すことができれば、よくできたほうだと考えていたが、その頃には私もそしてまわりの女子たちも急成長していた。1000回、2000回、3000回と…もう数えるほうが圧倒的に大変である。

 

学校に行っては何回できたか友達で報告しあい、負けず嫌いだった私は本気でフラフープに励んでいた。

当時の私の正確な最高記録は覚えていないが、1万回はゆうに超していた気がする。

 

ここまで来ると、数えることはもちろん、もう体力と集中力との勝負になってくる。ずっと立っているのは疲れてくるし、途中でトイレにも行きたくなる。

が、しかし1000、2000…と回数を重ねるごとにそんな簡単に辞めることはたいへん惜しく、踏ん張った。

 

こんな努力の成果もあってか、フラフープでは私は誰にも負けることはなくなった。

当時入っていたテニスクラブの練習プログラムのひとつに、何故かフラフープをひたすらまわすというものが時々あったが、これも群を抜いていていつも褒められていた。(ちなみにテニスは度がつくほどの下手くそで褒められたことなんてほぼなかった)

 

と、まあそんなフラフープブームも気づいたら終わっていて私もあるときから全く触れもしなくなり今に至るわけではあるが、なぜこんな思い出をふと思い出したかというと、最近ダイエットを始めたからである。

 

あのフラフープをするとくびれが手に入るというのは本当なんですかね…

おなか引っ込むとか腰痛治るとか、信じていいんですかね…

専用のあのぼこぼこしたフラフープじゃないと効果はないのか…?

 

とりあえず半信半疑であの昔使ってたフラフープを物置の奥から取り出してみますか。

 

果たしてフラフープブーム再来なるか‼‼‼‼